オイルショックの影響

ガスタービンシステムが採用されていたTGV。その後、順調に計画が進められてきましたが、思わぬ自体が開発者たちを襲います。それは1970年代に起こったオイルショックの影響です。オイルショックとは、原油の供給が追いつかなくなったことによる価格の高騰。そして、それに伴った世界規模の経済混乱を指します。日本でもオイルショックによってトイレットペーパーが買えなくなるなどのデマが流布され、大きな混乱を生んだことは教科書やテレビなどを通じて知っている人も多いのではないでしょうか。

このオイルショックは、ガスタービン方式を採用していたTGVにとって大きな痛手となります。燃料の価格が異常なまでに高騰したため、駆動方式としての実用性を急速に無くしてしまったのです。そのため計画は変更となり、ガスタービン方式から、架線から電力を引っ張ってくる架空電車線方式に変更となりました。この電力は、フランスの中で新たに建設された原子力発電所から供給が行われることになります。

このように、紆余曲折を経て電気牽引方式を採用したTGV。サスペンションやモーター、動作制御装置などの試験を繰り返し、試作車よりも2.95トンも軽量化することに成功し、1974年に完成を果たしました。およそ1,000,000kmの試験走行を繰り返したことから、並々ならぬ熱意が伝わってくると言えるでしょう。